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執筆者の写真Sakae Kikuchi

第8回 マインドフルネス瞑想

 暖かい日差しに雪が溶け、気がつけば空気にほんのりと温もりが感じられるようになってきました。

 庭にはアカゲラがやってきて、寒い時期にはどこかに潜んでいたノラネコも、わが家のネコを誘う挑戦的な声を出して軒下に現れるようになりました。

 春はもうそこまで来ているようです。


 星ノ杜ヨガでは、毎月1回、マインドフルネス瞑想会を開催しています。

 普段のヨガクラスでは、ほんの5分ほどしか瞑想する時間がとれませんが、瞑想に関心をもたれる方が多いので、瞑想会を開くことにしました。熱心な参加者の方々のおかげで、もう36回も続いています。


「マインドフルネス瞑想」という言葉は、マスコミでも取り上げられるようになったので、耳にしたことのある方もいらっしゃると思います。

 瞑想はヨガや、仏教などで伝統的に続いている坐法ですが、マインドフルネス瞑想は、元々はインドから南アジアに広まった小乗仏教の流れを汲む瞑想法です。

 1970年代に、ベトナム戦争から逃れた僧侶、ティク・ナット・ハンがヨーロッパに伝え、アメリカにも同時期にヴィパッサナーセンターが開設されました。その要素を取り入れた瞑想法が、英語で「マインドフルネス瞑想法」と呼ばれるようになり、宗教的な要素を排した形で世界中に広まったのです。

 インドからチベット、中国を経て、北回りで日本に伝わった密教の坐禅は男性的で、いかにも日本の武士道の中で鍛えられた規律的な修行法ですが、ヴィパッサナー瞑想はどちらかといえば、柔らかいイメージがあります。とりわけティク・ナット・ハンは「微笑みの瞑想」という概念を伝えました。


 ヨガの瞑想とマインドフルネス瞑想の違いは、まず呼吸をコントロールするかしないかの違いです。ヨガでは呼吸をコントロールして、できるだけゆっくりとした呼吸をするようにしますが、マインドフルネスでは呼吸をただ眺めていくだけで、意図的にゆっくりとした呼吸をすることはしません。


 二つ目の違いは、その到達点にあります。

 ヨガもマインドフルネス瞑想も、苦痛/苦悩から解放されることを目指しています。それは心を穏やかにして、何があっても動じない心をつくること。ストレスに強いメンタルを維持することにつながります。ヨガの場合はその上に、三昧(悟り)という大きな目的(ゴール)を掲げています。一方、マインドフルネスの場合には、結果を出すことが目的ではなく、そこに至る道を大切にしていこうとしています。


 結果を出すことを目指す To Do より、そのままある To Be のほうが、なんとなく落ちつきます。それがマインドフルネス瞑想の人気の秘密かもしれません。

 とりあえずは難しいことは考えず、やってみたら心が落ちついて、身体の中が整っていた、という緩やかなとりくみ方で瞑想をすすめていってみてはいかがでしょうか。



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